モーツァルト一考・代表 加藤明のコラム(K618)
会報「モォツアルト広場」創刊によせて
W.A.モォツアルトは音楽を創るという点においては弛まぬ努力を傾けたヒトであったし、常に自己の拡散を志した希代の探検家でもあった。
没後200余年、いま私たちはようやく気が付きはじめている。
モォツアルト音楽の底知れない深さとその深さから汲み上げられる人間的な気高さ。
そして、あの比類なき気品と優しさに。
モォツアルト体験の始まりは、まずこの気高さ、気品ある優しさに圧倒され、狼狽えることではないだろうか?
デジャヴという言葉をご存じか。
初めて見た情景なのに、以前見たことがあると感じる既視感のことである。
私はモォツアルトの放つメッセージは既視感ならぬ既聴感を抱かせる音楽だと数年前から思っている。
つまり、「アレー!どこかで聴いた曲だ・・・・・・・・・・・・・・」という想い込み現象を読者も体験しているのではないだろうか?
これは一体どういうことだろう?
見方によってはこれはモォツアルト一流の仕掛けた「罠」とも考えられるが、それ以上にこのことはモォツアルト音楽の神髄を雄弁に語っていると思う。
3年前、文字通り手探りで始動したモォツアルト広場であったが、現在会員登録者47名(どこぞで耳にした12月の数字。これに士がつくと・・・・・・・・・・)を数え、それなりの事業計画を打ち出せるところまで来た。
この会報発行をひとつの契機として、より多くの方々にモォツアルトを識って戴き共に探検の旅を楽しんで下さることを切に願うものである。
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